チェコを描いたクラシックの楽曲と言えば、『モルダウ』が有名です。
モルダウは、6曲から成るスメタナ作曲の交響詩『わが祖国』の2曲目で、チェコを流れるヴルタヴァ川の情景を描写したものとして知られています。
『わが祖国』が作曲された背景には、チェコがオーストリアのハプスブルク帝国の支配下にあったことがあります。
チェコの人びとは自分達のルーツを探し求め、そんな中モルダウやドヴォルザークの『スラヴ舞曲』が作曲されました。
モルダウには、彼らのルーツであるチェコの雄大な自然や昔ながらの文化が描かれています。
モデルとなったヴルタヴァ川には2つの源流があり、途中で合流するのですが、その様子が見事に音に描写されています。
曲が始まって最初のフルートの旋律が第1源流、次のクラリネットの旋律が第2源流を表現していて、それに続く最も有名な主題は、2つの源流が合流する点の雄大な川の流れを表現しています。
↓ヴルタヴァ川の合流点はこんな感じです♪

その後楽曲は川の流れに沿って情景を描いていき、森の狩猟や、村の婚礼に出会っていきます。
モルダウは、情景や感情をそのまま音の雰囲気に取り入れるトーン・ペインティングという手法で作曲されていて、音から情景の浮かびやすい曲です。
チェコに旅行した際はこのヴルタヴァ川を見ながら、スメタナの描いたチェコの原風景に思いを馳せてみるのも素敵な思い出になるのではないでしょうか?
個性豊かで可愛らしさいっぱいチェコの旅