バラの谷【ブルガリア情報】


あまり知られていませんが、香水などに使われるバラの香料はブルガリア産のものが世界市場7割を占めています。そのほとんどはバルカン山脈とスレドナ・ゴラ山脈に挟まれた、ここ「バラの谷」で摘まれたバラから精製されたものになっています。ブルガリアの中心に位置し、温暖で乾燥した気候がバラ栽培に適していて、春になると一帯にバラの香りが漂います。

バラの谷で主に栽培されているのは香水用のバラになります。日本人が普段目にするバラよりも一回り小さいピンク色で、見た目は派手ではありませんが、さすがに強い香りがします。バラの精油は模様が描かれた木製の小さな容器などに入れられ、博物館や土産物屋で売られています。1kgの精油を作るには3000kgものバラが必要だとか。

バラ園はカザンラクを中心にカルロヴォなどの周辺の街に広がり、5月の収穫期には夜明けから採集が始まります。民族衣装を身にまとった女性が歌と踊りで豊作を祝うバラ祭りもこの頃に催されます。祭りの開催期間中はバラの女王を選ぶコンテストや大規模なパレードが行われたりなど、バラの谷一帯は大いに盛り上がります。

お祭りの時期以外のバラの谷はとても静かな地域です。春にブルガリアを旅するなら、咲き乱れるバラの姿を見るためだけにでも是非、訪れたいですね。








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