聖トリフォンは葡萄職人で、熱心なキリスト教徒でした。17歳の時、神の啓示によってローマ皇帝の愛娘の病気を奇跡的に治したと言われています。ブルガリア正教のイコンには聖トリフォンの姿が描かれ、その偉大さが示されています。
ブルガリアでは聖トリフォンの日を「トリフォン・ザレザン」と言います。「ザレザン」は切ることを意味し、この日は春の到来と豊作を祈願して、一年の一番最初に葡萄の剪定の儀式を行う日となっています。女性は、早朝からぶどうの実の形や肥沃な大地を表す丸い形のパンを焼いたり、祝いの鶏の丸焼きを作ります。男達は畑に出かけ葡萄の枝を切ることで形を整えたり、風通しを良くしたりし、その切り口にワインと聖水をかけ、秋の豊作を祈ります。そして、切り取った枝でリースを作り、頭に被ったり首に掛けたり、家のイコンの前に供えたりします。