王の道を歩く【チェコ情報】


プラハには、「王の道」と呼ばれる約2.5kmに及ぶ歴史的な道があります。これは15世紀から約4世紀にわたって、時代が変わるたびに歴代の王が戴冠パレードを行ってきた道です。最初のパレードは1458年、ボヘミア王に選ばれたポジェブラト家のイジーが行ったと言われています。最後にパレードを行ったのはフェルディナント5世で、1836年のことです。

ルートは旧市街の火薬塔からカレル橋を渡って対岸のプラハ城までとなります。火薬塔から始まるツェレトゥナー通りを西に向かい、旧市街広場を抜けて狭いカレル橋通りを行き、全長約520mのカレル橋を渡ってモステツカ―通り、ネルドヴァ通りを通ってプラハ城へ到着します。

火薬塔はかつて城壁の門でした。ここで外国の大使や王侯貴族、聖職者たちを迎え、鼓笛隊や兵士、王子たちを乗せた馬車が行列を作り、民衆が見守る中プラハ城を目指して荘厳且つ華麗なパレードが繰り広げられたのです。

住所に番地がなかった当時、人々は家の正面に紋章をつけることで自分の家を示しました。一角獣や鷹、ブドウ、羊、金の熊…。王の道の両側に並ぶ家々にはそれらの紋章が今も残されています。

歴史の封じ込まれた街並みの中を、人々を魅了したであろう華やかなパレードを想像しながらゆっくりと辿ってみると、いにしえの空気がまだ辺りに漂っているような、そんな感覚にとらわれるはずです。








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