「温泉」と聞くとみなさんは、伊豆や箱根を思い浮かべるでしょうか。
日本は世界でも有数の温泉大国であり、私たちにとってはとても身近な存在ですね。
しかし以外にも、東欧にも温泉大国がありました!
ハンガリーの首都、ブダペストには50以上の温泉が点在しています。
温泉といってもヨーロッパでは、みんな水着を着て入る、プールのような施設です。
お湯は26℃~38℃と日本に比べてぬるめですので、ゆっくりはいることができ、みな泳いだり、チェスをしたりとまったり楽しむのです。
ところでみなさん、「グランド・ブダペスト・ホテル」という映画を見たことがありますか?
2014年に公開された、ウェス・アンダーソン監督作品です。
この映画の舞台は東欧をモデルにした仮想の国ということになっています。
イギリスの名優レイフ・ファインズが演じるキャラクターがかなりいい味を出していて、作品に一風変わったおもしろい雰囲気を加えています。
彼が働くのがグランド・ブダペスト・ホテル。かつて湯治の客でにぎわった一流スパホテルという設定です。
ホテルには大きなプールと、個人用のバスタブがあり、飲泉があったりして、温泉を「楽しむ」というよりは「治療」の施設という側面が大きいな、という印象を受けました。
あれが昔のヨーロッパの、温泉のイメージなのですね。
この映画、独特のペースでけっこう淡々と話がすすむのですが、なかなかドライなユーモアがきいていて筆者は大好きな作品です。
他にも「戦場のピアニスト」のエイドリアン・ブロディやウィレム・デフォー、今フランスで売り出し中の女優レア・セドゥなどがびっくりするほどのちょい役で出ていますので、「あ、この人知ってる!」役者さんを何人見つけられるか探してみて下さい。
みんな変装(仮装?)しているのでなかなか難しいかも・・。
映像も音楽もとても凝っていて、おとぎの国、東欧、という独特の世界観です。
ベルリン国際映画祭やアカデミー賞に輝いた名作ですから、みなさんもぜひご覧になってみてくださいね。